都市部への人口流入、特に東京への一極集中が問題になっている。

誰もが地方を捨て豊かた都会での生活を羨むのは当然といえば当然のことだ。特に刺激を求める若者であればなおさらの事だろう。

しかしさあ憧れの都会で生活を始めようと思った時、立ちはだかる問題の一つが高すぎる家賃で、 東京なら「山手線の内側に住みたい」とか「渋谷・新宿の近くに住んでみたい」なんて理想を持っていざ部屋探しをするとその家賃の高さに愕然とする事がある。

これが地方であれば話が別なのだ。東京ならば六畳一間のワンルームで7万とか8万円からスタートするところが、例えば福岡ではその半額程度の金額で住めたりしてしまうし、西の都大阪でも、東京に比べればずっと安いようである。

アパマンショップ調べの地域別平均的家賃相場で言えば東京でも23区内の人気のエリアはワンルームで10万円前後。その一方大阪では市内の人気のエリアで6万円前後と言うのだから、大阪でさえ半額とまではいかずともだいぶ安く感じられ、いかに東京の賃料が高いかという事が伺える。(引用:アパマンショップ ”一人暮らしをする際の代表的な地域別家賃相場” http://www.apamanshop.com/info/column/20150303_017.html)

じゃあやっぱり東京一極集中をやめて皆地方へ行けばいいね?とは簡単にいかない・・・

図2 都道府県別転入超過数(日本人移動者)(2016年,2017年)
(参照元:総務省統計局, https://www.stat.go.jp/data/idou/2017np/kihon/youyaku/index.html)

じゃあやっぱり東京行くのやめてみんな地方へ移ればいいね?

と言うは易しであって、やはり事はそう簡単でもない。未だに進まない地方分権の日本において、上昇を夢見る人間にとってはやはり東京という場所に集積している人や業界あるいは学校施設などはその他の場所にはないものなのだろう。

現に毎年7万人以上の人が東京への転出をしているし、東京のみでなく東京圏(神奈川・埼玉・千葉などを含む)で考えたら11万人近くの人が毎年ごっそり移住をしてくるというのだ。

テレビの中の大阪の芸人でさえ、いまだにやはり華の都東京を目指して、東京で売れてようやく俺も一人前の芸人になれた、という事を回顧して述べたりする。大学だって東京の私大の偏差値は年々上がる一方、地方の大学の偏差値はどんどん下がり入学者数も減ってきているという。

File:Tokyo university of technology kenkyuto.jpg

たしかに僕自身そうだったのを思い出す。昔、横浜の実家から、東京以外の場所へ行くことなど考えられなかった。

東京に住んでみたくて、そのためにも東京以外の大学を受ける事は考えられなかった。

それだけ思考の世界が狭かったといえばそのままなのだが、大変失礼な事に地方の人は10時以降とか夜何をして遊んでいるのだろう、などと真剣思ったりしたものだ。まさか自分自身がその後そのような地方へ自ら移り住む事になるとも知らずに。

とまあそれほど都市というのは人を魅了するし、その中でもっとも栄えた東京という場所を人は変わらず目指し続けている。それが変わる兆しは今のところないと言っていいだろう。

そこにこそルームシェア、そして異世代ホームシェアの可能性がある、と思うわけだが、それらも未だにあまり馴染みがない、と言えるだろう。

もう一つの問題。それは高齢化社会

地方消滅、一極集中と同様に日本の社会問題となっているのが高齢化社会、そして孤独な老人たちである。もちろん、悠々自適な生活を送っている老人もいるだろう。しかしやはり一人で生きる事に限界を感じて寂しさを感じる老人もこれから今より増えてくる可能性が高い。

内閣府の高齢社会白書によれば2017年時点で、日本全体の人口約1億2千万人に対し、65歳以上の人口は約3500万人。日本社会の総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は27.7%だった。

この高齢化率、東京都だけで見れば約23%で、約1400万人の東京の人口の中で65歳以上の人は300万人暮らしている事になる。

300万人──東京だけに限ってもこれだけの高齢者がいるのである。300万人と言えば1万人のグループが300個作れてしまう規模である(この例えもよくわからないわけであるが)

そういう事を考えると、僕には一つ想うことがあるのである。

それは都会の生活は寂しい。という事であり、その中で、高齢者の人たちは今都会の中で、特に東京の中でどのように過ごしているのだろうか──という事である。その事については次の記事で追記したい。

参考サイト
山田稔(2018)「東京の人口集積度、インド・デリー以上で世界ダントツに…転入超過に歯止めかからず」Business Journal, https://biz-journal.jp/2018/02/post_22376.html
総務省統計局(2017)「住民基本台帳人口移動報告 平成29年(2017年)結果」https://www.stat.go.jp/data/idou/2017np/kihon/youyaku/index.html
内閣府高齢「平成30年版高齢社会白書(概要版)第1節 高齢化の状況」
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2018/html/gaiyou/s1_1.html